文献詳細
原著
文献概要
Ⅰ.はじめに
下大静脈後尿管は胎生期に起こつた下大静脈の発生異常によるもので,従来比較的稀な疾患とされていた。しかし近年に至り泌尿器科学の急速な発展,とくにそのレ線学的診断法の進歩により本疾患の発見が容易となつたため,ことにここ数年来多数の症例が報告されるようになつた。岸本・岡田(1966)1)によれば本邦ですでに46例の報告があり,しかもその3分の2はそれまでの5年間になされたものであるという。我々も最近本症の1例を経験し,下大静脈の切離再縫合による尿管整復術を行ない,満足すべき結果を得たので報告する。
下大静脈後尿管は胎生期に起こつた下大静脈の発生異常によるもので,従来比較的稀な疾患とされていた。しかし近年に至り泌尿器科学の急速な発展,とくにそのレ線学的診断法の進歩により本疾患の発見が容易となつたため,ことにここ数年来多数の症例が報告されるようになつた。岸本・岡田(1966)1)によれば本邦ですでに46例の報告があり,しかもその3分の2はそれまでの5年間になされたものであるという。我々も最近本症の1例を経験し,下大静脈の切離再縫合による尿管整復術を行ない,満足すべき結果を得たので報告する。
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