文献詳細
原著
文献概要
Ⅰ.緒言
前立腺癌における癌浸潤の拡大経路には局所的拡大,血行性転移および淋巴行性転移があり,おのおのの経路により膀胱,精嚢腺,骨,肺等の諸臓器,骨盤腔淋巴腺および大動脈周囲淋巴腺等に転移をきたすが,性器転移は一般に少なく,なかんずく陰茎への転移は極めて稀なものとされている。Semans (1938)11)は140例の前立腺癌中陰茎転移例は1例も認めず,McCrea and Karafin(1958)12)は500例中僅かに1例を認めたにすぎないという。著者は75才男子に発生した,本邦では国分・小谷(1949)5),仁平・中川(1962)9)の報告に次いで第3例目と考えられる陰茎に転移をした前立腺癌の1例を経験したのでここに報告し,併せて若干の文献的考察を加えることにする。
前立腺癌における癌浸潤の拡大経路には局所的拡大,血行性転移および淋巴行性転移があり,おのおのの経路により膀胱,精嚢腺,骨,肺等の諸臓器,骨盤腔淋巴腺および大動脈周囲淋巴腺等に転移をきたすが,性器転移は一般に少なく,なかんずく陰茎への転移は極めて稀なものとされている。Semans (1938)11)は140例の前立腺癌中陰茎転移例は1例も認めず,McCrea and Karafin(1958)12)は500例中僅かに1例を認めたにすぎないという。著者は75才男子に発生した,本邦では国分・小谷(1949)5),仁平・中川(1962)9)の報告に次いで第3例目と考えられる陰茎に転移をした前立腺癌の1例を経験したのでここに報告し,併せて若干の文献的考察を加えることにする。
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