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原著
文献概要
慢性腎盂腎炎の概念は,米国においては古くから普及していたが,わが国においては比較的最近になつて認識され始め,日常の診療にその概念が広く取り入れられるようになつたのは,ここ数年来のことである。したがつて両者の間で,この疾患に対する考え方,取り扱い方に違いが見られるのは,むしろ当然のことといえよう。筆者がMount Sinai Hosp.(New York, N.Y.;以下MSHと略称する)にresidentとして在籍していた当時の,同病院における本疾患に対する概念を基に,実際に行なわれていたプラクテイカルな2,3の特異点を述べ,慶応病院泌尿器科における最近2年間の慢性腎盂腎炎患者の統計を用いて説明してみた。
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