icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻6号

1968年06月発行

原著

乏尿,無尿を伴わぬ術後急性腎不全について

著者: 井上武夫1 広川信1 塩崎洋2

所属機関: 1横浜市立市民病院泌尿器科 2横浜市立大学医学部泌尿器科教室

ページ範囲:P.429 - P.433

文献概要

Ⅰ.緒言
 術後または外傷後に起こる急性腎不全はとくに珍らしいものではない。乏尿,無尿,低比重尿,高窒素血症,血圧亢進などを主症状とするが,乏尿,無尿はほとんど必発症状で,これによつてわれわれは第一に気付く程である。しかし,乏尿,無尿が症状として余りに強く打ち出されているために,腎不全すなわち乏尿,無尿と解訳し勝ちである。この事は,日本泌尿器科全書にも,急性腎不全という項目は無く,無尿症として取扱われていることでも了解できると思う。この概念で,日常の臨床には充分であり,事実われわれもそのように思つていたが,実は例外があり,乏尿,無尿を伴わず,むしろ尿量は正常またはそれ以上でありながら,高窒素血症となつた術後急性腎不全を相次いで経験した。ここにその3例を報告し,諸賢の御批判を仰ぎ,臨床の一助として戴きたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら