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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻6号

1968年06月発行

原著

腹腔内遺残ガーゼの膀胱内迷入による膀胱異物の1例

著者: 指出昌秀1 千葉隆一1 五十嵐邦夫1 松村総1 佐竹佑之1 木村行雄1

所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.449 - P.453

文献概要

Ⅰ.緒言
 膀胱異物は臨床上さほど稀なものではなく,数多く報告がなされている。一般に膀胱異物はその侵入経路より経尿道性膀胱異物,経膀胱壁性膀胱異物,およびその他の外傷などにより直接膀胱内に遺残されたもの,の3種に分たれる。従来の報告によるとこれらの大部分は経尿道性膀胱異物であるが,経膀胱壁性膀胱異物もかなりの数,報告されている。しかし後者の大部分は既往手術のさい膀胱壁あるいはごくその近傍にかけられた縫合糸が膀胱内に迷入し,これを核とした結石が膀胱異物となつているものであり,腹腔内に遺残した縫合糸,ガーゼなどが膀胱壁を貫通して膀胱内に迷入し,異物となつているものは比較的少ない。
 最近われわれは虫垂切除術後の腹腔内遺残ガーゼが,経膀胱壁性に膀胱内に迷入し,膀胱異物となつた症例を経験したので報告し,既往手術に起因する経膀胱壁性膀胱異物についていささかの考察を加える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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