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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻7号

1968年07月発行

円卓討議会 泌尿器癌

Ⅴ.討議

ページ範囲:P.514 - P.516

文献概要

 高安 以上で,各演者の発表を終つたが,ここで2,3の問題をとり上げてお話を伺いたい。腎実質腫瘍は,腎盂,尿管,膀胱腫瘍などと異なり,転移があつても経過の長い例もあり,また,原病巣を摘除することにより,転移の改善,消失がみられることがある。そこで,腎実質腫瘍の転移は他腫瘍の転移と異なる特異なものと考えてよいか? さらに,特異な経過をとつた腎腫瘍転移例を経験した方のお話を伺いたい。
 岡 最近の文献にはLudin und Rutishauserも挙げているが,進行の極めて遅いもののあること,したがつて,潜行性遠隔転移がしばしばみられること,まれではあるが自然消退のあることは腎癌の特長といえる。こういう性質をMortensenは「むら気」(capricious)と形容しているが,それなるが故に,手術後腎癌が治癒したということを軽卒にいえないし,反対に転移があるからといつてmachtlosとしてあきらめるのは早計である。Richesもいつているように,腎摘は有意義なことも腎癌の特徴といえよう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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