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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻8号

1968年08月発行

文献概要

文献抄録

腎部分切除術の適応症と合併症/S状腸漿膜面利用による膀胱拡大法

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所属機関:

ページ範囲:P.595 - P.595

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 腎部分切除は1887年Czernyによつて初めて報告され,1934年にはまだ40例程度が行なわれたにすぎなかつたが,その後Scub, Lattimer,Cibert等により腎結核に行なわれて立派な成績を得るようになり高く評価された。1953年にはAbeshouse,Lermanは腎結石に行なわれた193例,自験例の17例を加えて報告しているがその死亡率は2.58%であつた。Graves (1954)が解剖学的に腎血管の分布を明らかにして以来,腎部分切除の技術も更に進歩し,手術適応についても一層拡大された。著者は過去10年間に行なつた140例の腎部分切除症例を紹介している。症例は3才から72才までに及び,性別では男子67例,女子73例である。疾患別に見ると腎結石44例(31.6%)で最も多く,次いで腎分枝血管閉塞ないしは限局性慢性腎盂腎炎による高血圧症41例(29.2%),水腎杯16例(11.6%),重複腎11例(7.9%),腫瘍6例(4.5%),腎分枝動脈瘤5例(3.5%),外傷4例(2.5%),その他となつている。著者等の行なつている部分切除法は腎門部において動静脈を分割結紮してからその支配領域の病巣部を切除するようにしている。この方法が術中の無用の出血が最も少ない。すなわち腎を充分に脱転して,腎茎部を確認し,腎静脈を圧排して腎動脈およびその分枝動脈を充分露出する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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