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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻8号

1968年08月発行

綜説

前立腺および精嚢の線溶酵素系について

著者: 久住治男1

所属機関: 1金沢大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.601 - P.608

文献概要

はじめに
 泌尿器科領域における線溶現象の研究は1),単に循環血液のみならず,組織,尿,精液と次第にその研究対象の拡大が見られ,出血,アレルギー,炎症,腫瘍などその病態生理学的意義に関する多くの報告がなされつつある。我々の領域においてこの線溶酵素系の意義が重視されたのはJürgens& Trautwein (1930)2)が前立腺癌の骨転移と血漿フイブリノーゲン量の低下との間に有意の関係を論じたのに始まる。以来Marder et al.(1949)3),Tagnon (1953)4),5)により前立腺癌と線溶系異常による出血傾向の発現が注目され,前立腺はこの分野における臨床上問題となる1つの臓器としてクローズアップされるに至つた。筆者はこの小文において,前立腺および精嚢に関して行なつてきた研究成績の一端を述べ,それぞれの臨床面における病態生理の解釈や,また治療の面にも言及し,筆者らの見解をしるしたい。
 なお用語は次のごとく略記する。プラスミン:Pl,アンチプラスミン:Antipl,プラスミノーゲン:Plg,アクチベータ:Act,プロアクチベータ:Proact,ストレプトキナーゼ:SK,ウロキナーゼ:UK,ユーグロブリン:Eugl,ε-aminocaproicacid: EACA, 4-aminomethyl cyclohexane carbo-xylic acid:AMCHA.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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