icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻8号

1968年08月発行

原著

上行性腎盂内異物の1例

著者: 松元鉄二1 大北健逸1

所属機関: 1岡山大学医学部泌尿器科教室

ページ範囲:P.609 - P.614

文献概要

Ⅰ.緒言
 下部尿路すなわち膀胱あるいは尿道の異物,または陰茎異物は,しばしば遭遇するもので,さして珍しい疾患ではない。しかしながら上部尿路(腎盂,尿管)の異物症例はまれである。南里1)(1936)の鍼の腎臓異物の1例,土居2)(1939)の腎臓異物の1例(迷入せる縫針),太中3)(1939)の留弾による腎臓異物摘出例,荒川,土居4)(1945)の鍼針による腎臓異物兼腎臓結石症例,斎藤5)(1951)の腎異物症例(弾片),重松ら6)(1960)の鍼針を核とした腎盂結石の報告例,また尿管については,前田ら7)(1957)の尿管異物の1例,最近では,酒徳ら8)(1966)の尿管カテーテル折損による尿管異物症例などが見られるに過ぎない。
 われわれは,最近,原因不明の右腎部鈍痛および微熱が,術後の病歴を検討することによつて,上行性腎盂内異物に起因するものであることを確認し得た稀有な1例を経験したので,ここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら