文献詳細
原著
文献概要
はじめに
いわゆる特発性腎出血とは,臨床的に原因不明の腎出血に対してつけられた症候診断名である。本症のなかには,病理組織学的に出血の責任病巣をみいだせるものと,みいだせないものとがある。前者に属する症例は,泌尿器科的検査の進歩により小病巣の発見が容易になれば減少するだろう。後者はその多くが血液および血管機能異常にもとづくもので,その原因にアレルギー,自律神経障害,線溶現象等の関与が考慮されているが,いずれにせよその原因をはつきりさせるのはかなり困難である。
われわれは自律神経中枢のある脳幹の異常に基因したと考えられる本症の1例を経験したのでここに報告する。
いわゆる特発性腎出血とは,臨床的に原因不明の腎出血に対してつけられた症候診断名である。本症のなかには,病理組織学的に出血の責任病巣をみいだせるものと,みいだせないものとがある。前者に属する症例は,泌尿器科的検査の進歩により小病巣の発見が容易になれば減少するだろう。後者はその多くが血液および血管機能異常にもとづくもので,その原因にアレルギー,自律神経障害,線溶現象等の関与が考慮されているが,いずれにせよその原因をはつきりさせるのはかなり困難である。
われわれは自律神経中枢のある脳幹の異常に基因したと考えられる本症の1例を経験したのでここに報告する。
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