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原著
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前立腺に原発する悪性腫瘍のなかで,中胚葉性の腫瘍(すなわち,前立腺肉腫)の発生頻度は,極めて稀なものであり,全前立腺悪性腫瘍中の0.21)%〜0.32)%に過ぎない。そのなかでも,Lei-omyosarcomaは更に少なく,1960年までの報告では,米国3)で25例,英国2)で35例,本邦では数例を数えるに過ぎず,その予後は極めて不良とされているが,最近当泌尿器科教室において,前立腺肉腫の胱胱内にまで浸潤したと思われる症例に,膀胱全摘出術,回腸導管形成術,ならびに経恥骨式前立腺全摘出術を施行し,術後約1年を経過した現在,比較的良好な状態を呈する1例を経験し,ここに報告する。
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