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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科22巻9号

1968年09月発行

思いつくまま

現代の医者

著者: 黒田一秀1

所属機関: 1福島県立医科大学

ページ範囲:P.724 - P.724

文献概要

 激しい腹痛が起こつて楽なときは全然なくなつた。しかし熱がないので,医者達は楽観していた。この重病人の枕もとで,あのモリエール流のいまわしい茶番劇がはじめられる。十七世紀の人間は,臨床に必ずこんな目にあわなければならなかつたのである。医者のひとり,ゲノー氏は,パスカルの両腕から瀉血し,下剤をかける。
 つぎに油とブドー酒の浣腸をおこない,さらに三回にわたつて瀉血する。「パスカル氏はその腹痛のために再度腕から瀉血された」と一医師は記録している。オメー,プレイエ,ゲノー,ルノドー,ウァロなどの医師が診察したが,そのひとりはセンナを飲ませることを主張し,他のひとりはタマリンと「きくぢしや」を下剤に調合したらといい,また他のひとりは「カトリコン」がいいという。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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