文献詳細
原著
臭素酸塩中毒による急性腎不全の1例
著者: 和田一郎1 岩佐嘉郎1 斉藤善蔵2 中西功夫3
所属機関: 1金沢大学医学部泌尿器科学教室 2金沢大学医学部第二内科学教室 3金沢大学医学部第一病理学教室
ページ範囲:P.37 - P.42
文献概要
臭素酸塩中毒の報告例はきわめてまれであるが,この臭素酸塩がコールド・パーマの中和剤(酸化剤)として美容術上一般的に用いられていることを考慮した場合,この薬剤による中毒症例および中毒による急性腎不全症例は内科,泌尿器科領域において,今後とも時々経験されるのではないかと思われる。われわれは最近コールド・パーマの中和剤(商品名:アモロス)の服用による急性腎不全の1例を経験したが,人工透析などの治療にもかかわらず17日目に死亡し,剖検の機会をえたので報告する。
掲載誌情報