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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科23巻1号

1969年01月発行

原著

尿道上裂について

著者: 東福寺英之1 新村研二1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.49 - P.56

文献概要

Ⅰ.はじめに
 陰茎背面に尿道口が開いている状態すなわち尿道上裂は男子のみならず女子においても尿道背面壁の欠損として認められる。本症はGross andCressonのいうごとく幸にして奇形の中でも最も少ないものの一つでありDeesが1949年米国の8つの大病院における調査を綜合し男子では,1:117,604,女子では1:481,110の割合に認められたと報告している。Campbelは30,000人に1人の割合で認められるであろうと述べている。男女比はGross et al.によれば5:1と他の報告でも男子に多く認められる。
 尿道下裂150例に1例の割合で認められるといわれている尿道上裂は尿道下裂に比較して尿道括約筋欠損による尿失禁を伴うことが多く,従つて治療は尿失禁のみならず性交に際し腟内射精不能による不妊に対し修復も行なう必要がある。尿失禁に対し多くの手術方法があるにもかかわらず手術成績は必ずしもよいとはいえず,多くは単にchordeeの切除と尿道形成により亀頭先端部に外尿道口を移動するに止まつている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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