文献詳細
原著
文献概要
緒言
腎血管造影法が臨床において容易に行なわれている今日では,腎の上,下極に入る異常血管はしばしば発見される。下極に存する腎異常血管が腎盂または上部尿管を絞扼すれば,当然水腎症が惹起されるが,一般水腎症においてかかる水腎症は比較的稀なものとされており,水腎症例において異常血管が存していても,この異常血管が水腎症に対し実際にどれ程の役割を果しているかについての判定に難しい点も存し,また論議の多出する所でもある。我々は最近,腎異常血管と腎下垂が水腎症を惹起させていたと判定された2症例を相次いで経験したので報告する。
腎血管造影法が臨床において容易に行なわれている今日では,腎の上,下極に入る異常血管はしばしば発見される。下極に存する腎異常血管が腎盂または上部尿管を絞扼すれば,当然水腎症が惹起されるが,一般水腎症においてかかる水腎症は比較的稀なものとされており,水腎症例において異常血管が存していても,この異常血管が水腎症に対し実際にどれ程の役割を果しているかについての判定に難しい点も存し,また論議の多出する所でもある。我々は最近,腎異常血管と腎下垂が水腎症を惹起させていたと判定された2症例を相次いで経験したので報告する。
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