臨床泌尿器科23巻11号

1969年11月発行

原著

膀胱異物の興味ある1例

著者： 青野要¹ 平木祥夫¹ 杉田勝彦¹ 飯田荘介¹ 貞利庫司¹ 野間新也¹

所属機関： ¹岡山大学医学部放射線医学教室

ページ範囲：P.907 - P.910

文献概要

緒言
　我国における膀胱異物の報告例については数多くなされており，昭和42年までに本邦において820例以上に及んでいる。またその異物の種類についても絹糸，ビニール管，鉛筆，針，体温計等の報告がみられ，侵入機転としては自慰の目的によるものが多いとされている。私達は今回自慰の目的によつて使用された針金が過つて膀胱内に挿入され，しかも10年間放置された結果，この針金を核として形成された膀胱結石の珍しくまた興味ある1例に遭遇したので報告する。