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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科23巻12号

1969年12月発行

雑誌目次

図譜・310

腎嚢腫と鑑別困難であつた重複腎盂の水腎症

著者: 河村信夫 ,   織田孝英 ,   岡田敬司

ページ範囲:P.956 - P.957

 患者 ○木○和○,10歳,女子。
 主訴 血尿。

図譜・311

外陰部剥皮創

著者: 新島端夫 ,   藤田幸利 ,   東野秀雄

ページ範囲:P.958 - P.959

 患者 28歳,男子。
 初診 昭和42年11月15日。

綜説

尿管疾患のレ線診断

著者: 黒田恭一

ページ範囲:P.961 - P.968

まえがき
 尿管疾患の診断は,尿路疾患中で最も困難である。その理由としては,1)尿管が解剖学的に腹壁より隔たつた後腹膜腔深部に存在し,走行が長く内腔が狭小な管状臓器であること,2)内視鏡検査が不可能なこと,3)生検法が至難なこと,4)上部尿路の系統的な異常ないし疾患が多く,臨床症状の面で腎疾患との共通点が多いこと,などがあげられる。
 したがつてレ線検査法が不可欠の診断法となるが,レ線診断にも限界があり,少なくとも腎疾患に比して困難である。上部尿路の出血,疼痛,腎機能低下などにおける尿管の原因的役割の解明のさいに,種々のレ線検査法が駆使されるにもかかわらず,確診に至らない場合がしばしば経験される。

原著

泌尿器科領域の腰背部・側腹部痛

著者: 舟生富寿 ,   白岩康夫 ,   瀬野俊治 ,   横山荘太郎

ページ範囲:P.969 - P.974

はじめに
 腰背部痛の原因は複雑であり,整形外科をはじめ各科領域の原因疾患を羅列すれば相当な数に達する。泌尿器科領域においても腰背部痛,側腹部痛など疼痛を伴う疾患は多いがその実体についての詳細な追求はなされていない。私達は今回,外来患者を含めた当院泌尿器科患者について腰背部・側腹部痛の観点から調査を行なつたのでその結果を報告する。

腎動脈撮影150例の検討—特に撮影手技についての検討

著者: 針生常郎 ,   氏家紀一 ,   三品均 ,   中野修道 ,   薄場元

ページ範囲:P.977 - P.982

まえがき
 われわれは腎機能を調べる場合,腹部大動脈撮影法を施行し,出現する腎血管像,ネフログラム,および動脈性腎盂像(動脈撮影後の造影剤が,腎盂に排泄された像をいう)に至る一連の造影剤の流れを読むことによつて,腎の機能状態をより詳しく知ろうとして努力してきた。
 すなわち,初めにdos Santos等1)によつて報告された経腰的腹部大動脈撮影法を採用した。しかしこの方法には種々の欠点があり,従つて撮影に失敗することも,しばしばであつたので,ついでP.Ödman-Ledine2)のカテーテルを使用し,経皮的腹部大動脈撮影法3)を行なつた。この方法は繰返し行なうことができ,失敗率も少なく,更に体位の変換等も自由にできるので大変便利な方法であると考えた。

化膿性孤立性腎嚢胞

著者: 杉村克治

ページ範囲:P.985 - P.988

緒言
 腎のsimple cystは今日稀なものではないがその嚢胞内感染は意外に少なく,欧米で17例,本邦で3例の報告をみるにすぎない。
 著者は最近この稀有なる症例を経験したのでその経過を報告し若干の考察を加えてみた。

先天性砂時計膀胱の1例

著者: 川倉宏一 ,   折笠精一 ,   上谷恭一郎

ページ範囲:P.989 - P.992

はじめに
 先天性砂時計膀胱は泌尿器科領域における稀な疾患に属するが,著者らは最近その1例を経験し,膀胱拡大術を行ない成功したので報告する。

診断に困難した女性仮性半陰陽の1例

著者: 楢原憲章 ,   飯星元博

ページ範囲:P.993 - P.998

Ⅰ.症例
 患者 ○○哲男,男,18才,高校生。
 初診 昭和43年8月6日。

陰茎前位陰嚢の1例

著者: 佐々木桂一 ,   一条貞敏 ,   竹内睦男 ,   白井将文

ページ範囲:P.999 - P.1001

緒言
 陰茎前位陰嚢は,陰嚢が陰茎の前方に位置している極めてまれなる外性器の奇形であり,本邦においては永田1),嶋田2),久保3)等の報告をみるにすぎない。私達は最近本症に尿道下裂を合併せる1例を経験したのでその概要について報告する。

Urological Letter・84

深くて届きにくい場所での糸の結び方/入りにくいバルーンカテーテルの挿入法

ページ範囲:P.988 - P.988

 深い空洞状の場所で糸を結ぶためには,たとえば根治的恥骨後式前立腺摘出術やあるいは,尿失禁の際のMarshall-Marchettiの膀胱頸部吊り上げ手術のときのように深いところで指先で糸の結び目を確実にすることはむずかしい。長い器具を使つて糸を引つ張ることは,しばしば糸をいためかつ縫合を弱めることになる。従つてときには第1図のようにBabcock鉗子を用いると結び目を押し下げるのに都合がよい。

文献抄録

稀有なる腎実質癌の尿管・膀胱転移

ページ範囲:P.1001 - P.1001

 腎癌の遠隔転移は普通に見られるが,膀胱尿管への転移は文献的にも現在まで3例を数えるにすぎない。ことに尿管口へ転移を見たものはその内5例である。著者は腎癌の尿管・膀胱転移例を経験して報告している。
 症例は56才男子で1966年12月に無症候性の腎性血尿にて入院,排泄性腎盂撮影の結果左腎上極に腎盂像の乱れを発見されて左腎摘出術をうけた。右腎像および内視鏡膀胱所見には全く異常を認めなかつた。摘出腎は上極髄質から皮質にかけて3.2cm径の腫瘍部が見られ,一部大腎盂,腎盂にも腫瘍の浸潤が見られた。顕徴鏡的には未分化癌であつたが,血管には腫瘍浸潤はなかつた。術後の経過は順調に退院した。それ後約8カ月して再度血尿となり入院。

見聞記

第2回国際移植学会(2)

著者: 中村宏

ページ範囲:P.1007 - P.1009

シンポジウム—臓器移植における特別な話題
(座長:R.Calne, Cambridge Uni-versity, England)
 このシンポジウムで腎移植と関係あつたのは,異種移植の一題のみだつた。

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外国文献

ページ範囲:P.1010 - P.1014

THE JOURNAL OF UROLOGY Vol.102, No.1, July 1969
Current Treatment for Renal Tuberculosis.J.K. Lattimer, H.Wechsler, R.M.Ehrlich and K.Fukushima 2
I131Hippuran Renogram in Advanced Renal Disease and Renal Failure.R.M.Parker, A.B.Retik and H.S.Talbot 7

内国文献

ページ範囲:P.1015 - P.1017


 ○腎瘻術および尿管瘻術の臨床的観察,久住治男・細川靖治・亀田健一:日泌尿会誌,60;763,1969.
 ○腎移植の臨床(6)—遠隔成績と長期生存例における問題点—,太田和夫・他:外科診療,11;(10),75,1969.

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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