文献詳細
特集(増刊号の)2 腎不全
Ⅰ.腎不全の概念
文献概要
はじめに
腎不全という言葉は広く用いられているが,意味する病態は案外漠然としておつて,時代により,人により,また同一人でも場合によりその意味するところを異にしていて,しかも類義語として腎機能不全,窒素血症,尿毒症などの言葉も広く使用され,あまつさえそれらの用語概念も必ずしも明確ではなく,混乱している。このことは外国においても同様であつて,たとえばドイツ語ではNiereninsuffizienz, Nierenversagen, Nierenfunkti-onsstörung, Dekompensation, Azotämie, Präurä-mie, Urämieなど,英語ではrenal insufficiency,renal failure, impairment of renal function, di-minished renal reserve, azotemia, uremiaなど種々の用語が混用されており,各用語の概念も人によつて広狭区々で一定していない。
腎不全という邦語がいつ頃から使用されたかは詳かでないが,ドイツ医学を範とした戦前にNie-reninsuffizienzの邦訳として生れたことは間違いないと考えられる。
腎不全という言葉は広く用いられているが,意味する病態は案外漠然としておつて,時代により,人により,また同一人でも場合によりその意味するところを異にしていて,しかも類義語として腎機能不全,窒素血症,尿毒症などの言葉も広く使用され,あまつさえそれらの用語概念も必ずしも明確ではなく,混乱している。このことは外国においても同様であつて,たとえばドイツ語ではNiereninsuffizienz, Nierenversagen, Nierenfunkti-onsstörung, Dekompensation, Azotämie, Präurä-mie, Urämieなど,英語ではrenal insufficiency,renal failure, impairment of renal function, di-minished renal reserve, azotemia, uremiaなど種々の用語が混用されており,各用語の概念も人によつて広狭区々で一定していない。
腎不全という邦語がいつ頃から使用されたかは詳かでないが,ドイツ医学を範とした戦前にNie-reninsuffizienzの邦訳として生れたことは間違いないと考えられる。
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