文献詳細
特集(増刊号の)2 腎不全
Ⅲ.慢性腎不全
文献概要
いとぐち
慢性腎不全の患者に麻酔を施行することなどは麻酔医にとって余り考える必要のない時代がつい最近まで続いていた。なぜならこれは麻酔の禁忌であり,かかる患者にどうしても手術の必要な場合は単に予後不良を宣告して,あとは運を天にまかせるのが多くの麻酔医のつねであつた。しかるに今やこれらの患者の麻酔管理を論ずべき時代が来たのである。といってもわれわれに慢性腎不全を完全にコントロールし得る方法があるわけではない。ただ慢性腎不全に基づく各臓器の機能異常症候に対して一つ一つ保存的に対処するにすぎない。ではかかる麻酔の絶対的適応となるものは何か。それは腎移植あるのみである。比較的適応となるものは慢性腎不全患者に合併した外科的疾患であるが,実際には極めて少ないと考えてよい。
そこでまず慢性腎不全とは何かから始めねばならない。実際に成書を見ても,慢性腎不全と,これを惹起する原疾患群との関係および尿毒症の定義との間に明瞭な関連を具体的に説明がつくされていないのが現状である。そのため第1表から説明したいと思う。
慢性腎不全の患者に麻酔を施行することなどは麻酔医にとって余り考える必要のない時代がつい最近まで続いていた。なぜならこれは麻酔の禁忌であり,かかる患者にどうしても手術の必要な場合は単に予後不良を宣告して,あとは運を天にまかせるのが多くの麻酔医のつねであつた。しかるに今やこれらの患者の麻酔管理を論ずべき時代が来たのである。といってもわれわれに慢性腎不全を完全にコントロールし得る方法があるわけではない。ただ慢性腎不全に基づく各臓器の機能異常症候に対して一つ一つ保存的に対処するにすぎない。ではかかる麻酔の絶対的適応となるものは何か。それは腎移植あるのみである。比較的適応となるものは慢性腎不全患者に合併した外科的疾患であるが,実際には極めて少ないと考えてよい。
そこでまず慢性腎不全とは何かから始めねばならない。実際に成書を見ても,慢性腎不全と,これを惹起する原疾患群との関係および尿毒症の定義との間に明瞭な関連を具体的に説明がつくされていないのが現状である。そのため第1表から説明したいと思う。
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