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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科23巻13号

1969年12月発行

特集(増刊号の)2 腎不全

Ⅳ.腎不全の対策 3.人工腎臓

血液透析法の一般的適応

著者: 小高通夫1

所属機関: 1千葉大学医学部第二外科学教室

ページ範囲:P.151 - P.158

文献概要

はじめに
 昭和42年の全国死亡統計をみると,腎炎およびネフローゼによる死亡数は9,791名にのぼつている。腎不全による死亡は非常に統計のとりづらい疾患の1つであり,死亡原因が高血圧あるいは脳卒中の中にも腎不全よりきたものが含まれる可能性はあり,腎不全により死亡する実数は年間1万人を越えると考えられる。しかも各5才年令区分の死亡順位をみると,5〜9才,10〜14才では事故死,悪性腫瘍,肺炎につぐ第4位,15〜19才,20〜24才および25〜29才では,事故死,悪性腫瘍,心疾患および自殺につぐ第5位,30〜34才では第6位,35〜39才では8位,40〜44才,45〜49才および50〜54才では9位と,学童より青年期,壮年期にわたる広い年令層において高い死亡率を示しており,この疾患に対する治療は,患者個人の問題ばかりではなく,社会的な意義を有しているものである。
 人工腎臓はKolffおよびBerk1)により1944年急性腎不全の治療法として導入され,1960年Quin-ton, DillardおよびScribner2)による,silastic-tefloncannulaのpermanent shuntの開発以来,腎不全の治療法として確立されたものとなり,我が国においても目ざましい普及がなされつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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