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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科23巻13号

1969年12月発行

特集(増刊号の)2 腎不全

Ⅳ.腎不全の対策 3.人工腎臓

透析センターの必要性と問題点

著者: 三木信男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.215 - P.221

文献概要

はじめに
 不可逆的な慢性腎不全の治療は長い間,絶望的なものとみなされてきたが,最近の人工透析法および腎移植術の急速な進歩により,積極的な治療への道が開かれてきた。しかし腎移植の成功率はわが国ではまだ低率である。
 これには技術上の問題もさることながら,適当の腎提供者を得がたいことや,屍体腎の利用になお多くの難点があることのほかに,人工腎臓の普及が遅れ,とくに欧米のような完備された透析センターの少ないことがその原因の1つになつている。人工腎臓ははなやかな腎移植の陰にあつてこれをがつしりと支えるものである。同時に腎移植の普及するまでの間,死に直面する多くの患者に対し,延命と社会復帰の機会を与えるものでもある。人工腎臓による長期透析には,高額な設備と透析費用のほかに熟練した技術をも必要とする。したがつて1〜2台の装置を備えるよりも,透析センターとして計画的に透析する方がそのメリットははるかに大きい。また透析センターの問題点は,長期透析そのものの問題点にもなるので,以下透析センターの必要性,患者の選択,構成と費用,将来の展望等についてのべる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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