文献詳細
原著
文献概要
Ⅰ.はじめに
腎に発生する嚢胞性疾患は,その多くが先天性の発育異常とみなされており,病因について,多様の見解が述べられているとともに,多くの分類が試みられている。中でも,嚢胞腎は,両腎性の嚢胞性疾患で,発生頻度が比較的高く,家系的な素因が重視され,進行性の腎機能障害を示すことなどから,古くから興味を持たれてきた。そして,死産児または新生児の剖検によつて発見される嚢胞腎(幼児型)と,成長してから発見される嚢胞腎(成人型)とでは,種々の点で差異があるといわれ,また,小児の症例もまれに報告されている。われわれは,生後8ヵ月の乳児嚢胞腎の症例を経験したので報告し,幼児型と成人型との差異について考えてみたい。
腎に発生する嚢胞性疾患は,その多くが先天性の発育異常とみなされており,病因について,多様の見解が述べられているとともに,多くの分類が試みられている。中でも,嚢胞腎は,両腎性の嚢胞性疾患で,発生頻度が比較的高く,家系的な素因が重視され,進行性の腎機能障害を示すことなどから,古くから興味を持たれてきた。そして,死産児または新生児の剖検によつて発見される嚢胞腎(幼児型)と,成長してから発見される嚢胞腎(成人型)とでは,種々の点で差異があるといわれ,また,小児の症例もまれに報告されている。われわれは,生後8ヵ月の乳児嚢胞腎の症例を経験したので報告し,幼児型と成人型との差異について考えてみたい。
掲載誌情報