文献詳細
原著
文献概要
Ⅰ.緒言
孤立性腎嚢腫は本邦において,1902年佐藤が第1例を発表して以来,田辺1)(1966)らによれば200例近い報告がなされているが,特有な症状がなく,術前診断が困難な疾患である。われわれは最近2例の孤立性腎嚢腫を経験し,合併症予防,とくに悪性腫瘍を除外する意味で手術(腎保存的)を施行したが,1例に術後経静脈性腎盂撮影で,著明に水腎症の改善がみられた。孤立性腎嚢腫は鑑別診断困難であり,合併症予防の意味から患者の状態の許すかぎり,手術を行なうべきであり,その必要性について若干の文献的考察を行なつた。
孤立性腎嚢腫は本邦において,1902年佐藤が第1例を発表して以来,田辺1)(1966)らによれば200例近い報告がなされているが,特有な症状がなく,術前診断が困難な疾患である。われわれは最近2例の孤立性腎嚢腫を経験し,合併症予防,とくに悪性腫瘍を除外する意味で手術(腎保存的)を施行したが,1例に術後経静脈性腎盂撮影で,著明に水腎症の改善がみられた。孤立性腎嚢腫は鑑別診断困難であり,合併症予防の意味から患者の状態の許すかぎり,手術を行なうべきであり,その必要性について若干の文献的考察を行なつた。
掲載誌情報