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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科23巻6号

1969年06月発行

原著

興味ある睾丸腫瘍の1例

著者: 中神義三1 秋元成太1 堀尾豊1 斎藤喬1

所属機関: 1日本医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.495 - P.499

文献概要

Ⅰ.緒言
 睾丸腫瘍は,Cohen1)によれば男子に発生する悪性腫瘍の1ないし2%を占めるといわれている。さらに川井2)が述べるように,早期に遠隔淋巴腺および臓器に転移を形成し易い。しかし睾丸自体が視診,触診上発見しやすい部位にあるので腫瘍は早期に診断されるのが常であるが,まれには潜在癌のごとき形態でかなり長期にわたり診断が不明のことがある。その上ようやく剖検時に発見されることもまれには存在する。転移巣を組織学的に検索して原発巣が推察され,精密な検査で診断がつけられることもあるが,しかしそれでも原発巣がつきとめられない場合もある。
 われわれは,睾丸に発生した胎生癌で2カ月以上も視診,触診を受けていたが診断は不明で,対麻痺を初発症状とし,悪性腫瘍の転移も疑わせたが確定診断がつかず,ようやく睾丸の腫脹が認められたときには,病勢が進んでおり遂に死亡した症例を経験したので剖検所見とともに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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