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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科23巻7号

1969年07月発行

文献概要

文献抄録

単純尿管膀胱吻合術の長期予後

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所属機関:

ページ範囲:P.603 - P.603

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 膀胱尿管逆流現象の原因,治療,予後等に関しては現在諸家の意見は必ずしも一致していない。ある人は逆流の原因は尿管口弁機構の異常によるもので尿路感染は逆流現象のために二次的に発生するとしている。しかし著者等は小児,成人を問わず逆流は尿管口より遠位の尿路すなわち膀胱自体の排尿異常殊に閉塞性疾患が原因と考えている。尿管の逆流はたとえおこつても,排尿障害による膀胱内圧の過度上昇,膀胱の過度伸展,再発を繰返す尿感染が無ければ無害であると思われる。そこで著者等は尿管逆流の治療としては先ず排尿障害の原因を除去することが先決で逆流防止手術は二義的なものであるとしている。著者等は尿管膀胱単純再吻合術を施行した19症例中長期(2年から16年)予後を詳細に観察し得た8症例について述べている。症例は尿路の先天異常によるもの3例,術中,術後の尿管損傷によるもの5例について11側の尿管膀胱吻合を行なつている。いずれも全く健康で吻合側の腎機能は改善されており,両側吻合の症例でもBUN,血清クレアチニン値は正常でありかつ全例に尿感染は認められていない。著者の行なつた単純尿管膀胱吻合法はいわゆるfish-mouth法で尿管を膀胱内へ牽引し尿管断端を1cm左右に開いて膀胱壁に吻合する方法でこの方法では尿管逆流はしばしば術後に見られている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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