文献詳細
原著
文献概要
はじめに
腎瘻術は先天性水腎症,結核性尿管狭窄などにより尿流が停滞した腎に対して,一時的または永久的に尿のdrainageを図るために行なわれる手術である。しかし,水腎の程度が高度であれば,経皮性腎瘻術が適用されることもある。すなわち,1955年Goodwinら1)は10〜14gaugeの金属性穿刺針を腎盂に刺入し,その内腔にpolyethylene tubeを通すことによつて腎瘻管を作る方法をpercuta-neous trocar (needle) nephrostomyとして発表している。この際彼らは尿の流通を良くするために,内径の太い膀胱穿刺用trocarとNélaton catheterを使用することもあると報告しているが,稲田ら2)も同様に太いtrocarを経皮的に腎盂内に刺入し,その中を通して7号Nélaton catheterを留置する方法を発表している。経皮性腎瘻術の利点は,なんといつても手術的操作の不用な点であるが,反面大きな欠点は,trocarが細ければその中を通すtubeの太さも細くなるから内腔を閉塞する恐れがあるし,そうかといつてtrocarを太くすれば,出血の危険性が増大することであろう。
腎瘻術は先天性水腎症,結核性尿管狭窄などにより尿流が停滞した腎に対して,一時的または永久的に尿のdrainageを図るために行なわれる手術である。しかし,水腎の程度が高度であれば,経皮性腎瘻術が適用されることもある。すなわち,1955年Goodwinら1)は10〜14gaugeの金属性穿刺針を腎盂に刺入し,その内腔にpolyethylene tubeを通すことによつて腎瘻管を作る方法をpercuta-neous trocar (needle) nephrostomyとして発表している。この際彼らは尿の流通を良くするために,内径の太い膀胱穿刺用trocarとNélaton catheterを使用することもあると報告しているが,稲田ら2)も同様に太いtrocarを経皮的に腎盂内に刺入し,その中を通して7号Nélaton catheterを留置する方法を発表している。経皮性腎瘻術の利点は,なんといつても手術的操作の不用な点であるが,反面大きな欠点は,trocarが細ければその中を通すtubeの太さも細くなるから内腔を閉塞する恐れがあるし,そうかといつてtrocarを太くすれば,出血の危険性が増大することであろう。
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