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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科24巻12号

1970年12月発行

原著

多重管式穿刺針による経皮性腎瘻術の考案

著者: 土田正義1

所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.1117 - P.1120

文献概要

はじめに
 腎瘻術は先天性水腎症,結核性尿管狭窄などにより尿流が停滞した腎に対して,一時的または永久的に尿のdrainageを図るために行なわれる手術である。しかし,水腎の程度が高度であれば,経皮性腎瘻術が適用されることもある。すなわち,1955年Goodwinら1)は10〜14gaugeの金属性穿刺針を腎盂に刺入し,その内腔にpolyethylene tubeを通すことによつて腎瘻管を作る方法をpercuta-neous trocar (needle) nephrostomyとして発表している。この際彼らは尿の流通を良くするために,内径の太い膀胱穿刺用trocarとNélaton catheterを使用することもあると報告しているが,稲田ら2)も同様に太いtrocarを経皮的に腎盂内に刺入し,その中を通して7号Nélaton catheterを留置する方法を発表している。経皮性腎瘻術の利点は,なんといつても手術的操作の不用な点であるが,反面大きな欠点は,trocarが細ければその中を通すtubeの太さも細くなるから内腔を閉塞する恐れがあるし,そうかといつてtrocarを太くすれば,出血の危険性が増大することであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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