文献詳細
特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患
Ⅱ.病因と治療
文献概要
緒言
最近における小児の感染症を考える場合,急性尿路感染症は呼吸器感染症についで頻度が高いとされており1〜2),事実日常の臨床において不明の発熱を主訴とする小児の疾患に遭遇したとき,急性尿路感染症が主因であることがしばしば経験され,私たちも小児ことに乳児および幼弱小児の不明の発熱を診察した際,一応導尿により尿沈渣の検討,尿中の細菌の定量培養検査は,ルーチンの検査として実施している現状である。
しかもその成因については近年尿路におけるなんらかの器質的ないしは機能的な通過障害が関与していることの多いことが指摘され諸家の報告をみるが3〜12),その多くは泌尿器科関係のもので,小児科領域からのそれはあまり多くはなかつた。そこで私たちはすでにこの点につき「小児科臨床」21(7);876(昭43)および「小児科」10(9);847(昭44)に国立小児病院泌尿器科(大田黒和生医長)との協同で,その研究成績の一部を報告したが,今回は従来の成績をも含めてその後の成果につきのべるとともに,小児の急性尿路感染症を小児科医の立場から検討を行なおうと思う。
最近における小児の感染症を考える場合,急性尿路感染症は呼吸器感染症についで頻度が高いとされており1〜2),事実日常の臨床において不明の発熱を主訴とする小児の疾患に遭遇したとき,急性尿路感染症が主因であることがしばしば経験され,私たちも小児ことに乳児および幼弱小児の不明の発熱を診察した際,一応導尿により尿沈渣の検討,尿中の細菌の定量培養検査は,ルーチンの検査として実施している現状である。
しかもその成因については近年尿路におけるなんらかの器質的ないしは機能的な通過障害が関与していることの多いことが指摘され諸家の報告をみるが3〜12),その多くは泌尿器科関係のもので,小児科領域からのそれはあまり多くはなかつた。そこで私たちはすでにこの点につき「小児科臨床」21(7);876(昭43)および「小児科」10(9);847(昭44)に国立小児病院泌尿器科(大田黒和生医長)との協同で,その研究成績の一部を報告したが,今回は従来の成績をも含めてその後の成果につきのべるとともに,小児の急性尿路感染症を小児科医の立場から検討を行なおうと思う。
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