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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科24巻13号

1970年12月発行

特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患

Ⅱ.病因と治療

Meningomyelocele術後の神経因性膀胱の治療

著者: 黒田一秀1 藤村誠1 伊達智徳1 今村巌1

所属機関: 1福島県立医科大学泌尿器科学教室

ページ範囲:P.99 - P.107

文献概要

はじめに
 与えられた標題は「Meningomyelocele(以下M-M-Cと略す)術後の治療」であるが,あまり限定せずに先天性神経因性膀胱の治療について,自験例をまじえながら一般的に述べさせて頂きたい。M-M-Cなどに基因する膀胱機能障害は,小児の慢性先天性排尿障害のなかで,膀胱頸部疾患とか尿道弁形成など下部尿路の器質的障害とともに二つの重要な疾患になつている。中枢神経系の奇形は人種によつて差があり日本人には比較的少ないようであるが,筆者が北大および福島医大泌尿器科教室で経験した脊椎奇形に伴う神経因性膀胱は15年間30例であつた。わが国では器質的機能的を併せて小児の慢性下部尿路通過障害は,小児泌尿器科入院患者の9-26%を占めている(辻)。
 M-M-Cは約80%にhydrocephalusを合併している由である。hydrocephalusには自然消退もあるようであるが,この10年間にhydrocephalusや脊椎披裂の手術的治療法が改良されかつ新生児期に行なわれるようになつて,死亡率が半減している。それでM-M-Cの小児では尿路合併症が一層重大な問題となつてきたのである。自験30例中受診時すでに脊椎あるいは脊髄の手術をうけていたのは過半数16例であつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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