文献詳細
特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患
Ⅳ.麻酔と管理
文献概要
はじめに
最近における本邦・小児外科の発達は誠に著しく,年齢および疾患の上からみた手術適応の拡大と手術成績の向上は誠に刮目に価するものがある。この著しい発達の要因としては小児期全般にわたる生理学的特異性の理解が深まり,その基礎にたつて各年齢層における術前より術後にわたる患者管理法の実際面における知識の普及はもちろんであるが,小児麻酔の発達と安全性の向上によるところがすこぶる大きい。
小児における泌尿生殖器系の外科的疾患の頻度はかなり高く,欧米においては全小児外科症例の20%にもおよぶものといわれているが1),わが国においては従来,小児とくに乳幼児期に取り扱われる泌尿生殖器系の外科症例は陰嚢水腫などを除けば比較的少なかつたように考えられる。その大きな原因の1つとして,協調性の得がたい学齢期前の小児においては泌尿器科領域において必要とする各種の検査に全身麻酔を必要とすることが多く,麻酔の安全性にたいする危惧と患者管理に馴れていないための繁雑さから積極的な動きがみられなかつたのではないかと想像される。
最近における本邦・小児外科の発達は誠に著しく,年齢および疾患の上からみた手術適応の拡大と手術成績の向上は誠に刮目に価するものがある。この著しい発達の要因としては小児期全般にわたる生理学的特異性の理解が深まり,その基礎にたつて各年齢層における術前より術後にわたる患者管理法の実際面における知識の普及はもちろんであるが,小児麻酔の発達と安全性の向上によるところがすこぶる大きい。
小児における泌尿生殖器系の外科的疾患の頻度はかなり高く,欧米においては全小児外科症例の20%にもおよぶものといわれているが1),わが国においては従来,小児とくに乳幼児期に取り扱われる泌尿生殖器系の外科症例は陰嚢水腫などを除けば比較的少なかつたように考えられる。その大きな原因の1つとして,協調性の得がたい学齢期前の小児においては泌尿器科領域において必要とする各種の検査に全身麻酔を必要とすることが多く,麻酔の安全性にたいする危惧と患者管理に馴れていないための繁雑さから積極的な動きがみられなかつたのではないかと想像される。
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