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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科24巻13号

1970年12月発行

特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患

Ⅴ.形成手術

先天性水腎症と水尿管症(90症例の観察)—形成手術の手技と適応

著者: 大田黒和生12

所属機関: 1国立小児病院泌尿器科 2東京大学

ページ範囲:P.189 - P.201

文献概要

緒言
 先天性水腎症,水尿管症の直接的な成因は尿管の器質的,ないし機能的通過障害である。器質的な通過障害の大部分は尿管の部分的な狭窄であり,尿管腎盂移行部,尿管膀胱移行部,あるいは尿管のいずれの部分にも生じうる。同時に複数個所に狭窄を有していることもまれではない。尿管瘤,あるいは膀胱頸部,尿道(下部尿路)通過障害にもとづくこともある。機能的通過障害としては尿管の部分的蠕動運動の欠如,あるいは尿管下端部,膀胱支配神経の機能不全などがある。これらの原因によつて生じる先天性水腎,水尿管症の治療法は狭窄の部位,程度,両側性,片側性,感染症合併,水腎症,尿管蛇行延長,機能障害の程度と範囲などによつてそれぞれ異なつてくる。一般に,器質的な原因による場合にはその狭窄部位の形成が治療手段の基本となつている。もちろん,治療の最終目標は通過障害によつて生じている腎機能不全の回復,正常化にあり,あくまでも腎保存が大原則である。
 腎盂形成術,尿管形成術,尿管膀胱新吻合術には沢山の術式と適応があり,そのすべてをここに論述することはできない。われわれは昭和40年10月以来,4年10カ月の間にすでに先天性水腎症,水尿管症(結石,結核などの後天的原因によるものを除く)を90例経験しており,そのうち61例に各種の手術的処置を加え,経過観察中である(第1表)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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