icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科24巻13号

1970年12月発行

特集(増刊号の)3 小児の泌尿器疾患

Ⅵ.最新の研究

AGS(Adrenogenital Syndrome)に関する最近の知見

著者: 大沢仲昭1

所属機関: 1東京大学医学部第三内科

ページ範囲:P.215 - P.220

文献概要

 副腎性器症候群(adrenogenital syndrome, AGS)とは副腎皮質からのステロイドホルモンの過剰ないし異常分泌により性の異常が惹起される場合を称するが,一般には男性ホルモンの過剰分泌の症例が多いため女子の男性化あるいは男子の性早熟という病像をとることが多いのは衆知のとおりである。この際,副腎の病変としては副腎皮質腫瘍(ことに腺腫)あるいは先天性副腎皮質過形成があり,特に後者の方が多くみられる。多くの症例がなんらかの男性化を示すが,性および年齢に関係のあるホルモンの異常であるためにその臨床像は患者の性および発病年齢により非常に異なるのは当然である(第1表)。
 ところで副腎腫瘍の場合には,腫瘍そのものによる副腎性男性ホルモン,まれに女性ホルモンの過剰分泌であるために,他の種類の副腎皮質ホルモンすなわちglucocorticoidおよびmineralocorti-coidの異常はほとんどみられず,したがつてその発生病理も簡単に理解できるが,先天性副腎過形成の場合には,各種の副腎皮質ステロイドホルモン合成系の酵素の先天的欠乏の結果発症することが明らかにされており,その病態生理も複雑である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら