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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科24巻3号

1970年03月発行

新薬治験

Furadantin Macrocrystal—特に副作用について

著者: 東福寺英之1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.273 - P.275

文献概要

 1944年DoddとStillmanによつて発見されたNitrofuranは,その安定性,広い抗菌力の他耐性菌が出現し難いなどの優れた特徴を有するうえ,その高い尿中排泄濃度が認められ尿路感染症に広く用いられ始めた。しかし本剤に伴なう嘔気,嘔吐などのため製剤面では腸溶錠が出現し,一般に1日投与量を400mgとしていたものを1日200mgに減量し,その治療効果を減少させることなくこれら副作用の軽減に努力が払われた。他方,本剤の内服時牛乳などを用いることが奨められたが必ずしも期待できる程の効果が挙げられたとはいえなかつた。
 この副作用についてはCatloWが本剤の点滴静注によつても濃度が高くなるに従つて急速に嘔気の発生率が高まりCompazineを併用することによつて嘔気の発現が半減する事実から中枢神経の作用も多分に関係していることを述べた。一方急速な吸収も誘因として否定できずPaulらは本剤の結晶の大きさを変えることにより吸収の速度を抑制し副作用防止に努めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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