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綜説
文献概要
膀胱腫瘍の診断に際して内視鏡的診断法の占める比重がきわめて大きいことは周知のごとくである。近年尿の剥離細胞診が大いに発達したが,これは尿路内における腫瘍の存在を知らせえても,その発生部位はもとより,腫瘍の大きさ,数,形状などに関する情報は提供しない。また諸種のX線診断法も膀胱腫瘍のごく初期の病態を捉えるには,まだ程遠いといわねばならない。したがって,尿路疾患の診断に際して尿路内への器械挿入はなるべく少なくするという全般的な傾向は進みつつあるけれども,膀胱腫瘍の診断における内視鏡診断の位置は現在もなお最も重要なものである。
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