文献詳細
図譜 泌尿器科病理組織図譜・7
文献概要
〔解説〕結核症は最近の医学の進歩により征服され,すでに過去の疾患となつたとする印象が強い。しかし,腎結核に限つて言えば,抗結核剤による化学療法の限界1)があるように思われ,供覧した2例に示されるごとく,臨床的には治癒と判定されていても,組織学的には明らかな結核性病変を認める。臨床面からいえば,Lattimerら2)やBeck3)らの主張は正しいが,組織像に見られる血管壁の肥厚,内腔の狭小化は病巣に到達する薬剤の量の減少による治癒の遅れ,あるいは腎血管性高血圧の可能性を示唆する。
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