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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科24巻8号

1970年08月発行

文献概要

手術手技

泌尿器科領域,特に前立腺疾患に対するCryosurgeryの応用

著者: 百瀬剛一1 神谷定治1 長山忠雄1

所属機関: 1千葉大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.689 - P.695

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はじめに
 手術の一方法として極冷を利用する考えはかなり古くからあつたが,1961年脳神経外科医であるCooperが液体窒素を用いる組織の凍結破壊法を発表して以来,世の注目を浴びるようになつた。泌尿器科領域におけるCryosurgeryの応用は,既に1917年Quervainが膀胱腫瘍に雪状炭酸を用い圧抵破壊を試みた報告がある。その後McCravyおよびSmithに続きJones他,Newman他らが膀胱癌に凍結法を行なつて疼痛の軽減と腫瘍の壊死を認めている。前立腺疾患に対する凍結法のpioneerはGonderおよびSoanesらである。かれらは1963年Union Carbide社の冷却器を用いて犬の前立腺を凍結させ,その経時的変化を組織的に追究し,1966年には50例の臨床観察の結果を発表した。以来これに関するいくつかの報告があるが,使用された冷却器のほとんどがUnion CarbideCorporation, Linde Division製のものであり,その価格は約1万ドルとかなり高価でそう容易には入手できない。そこで,われわれは4年前より,独自に凍結装置の試作,改良を企て,ようやく臨床的に十分に使用できるものを完成し,これによる基礎的研究と共に膀胱腫瘍,前立腺肥大症,前立腺癌などに臨床応用を試みた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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