文献詳細
原著
RSP型人工腎による血液透析法—特にEX−01 Coilの使用成績について
著者: 酒徳治三郎1 桐山啻夫1 柏木崇1 小宮俊秀1 大北純三1 多嘉良稔1 小金丸恒夫1 広中弘1 福田和男1 市川哲也1 佐長俊昭1 本永逸哉1
所属機関: 1山口大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.705 - P.714
文献概要
人工腎は1943年Kolffによつて初めて臨床的に応用された1)。初期には,可逆的急性腎不全や薬物中毒で永久的腎機能不全をともなわない症例が適応とされていた。しかし,1960年Scribnerら2〜5)が動静脈間のパーマネントシャントを発表して以来,人工腎の適応は急性腎不全,急性薬物中毒,肝不全に対するものよりも慢性腎不全に対する長期反復透析が透析法の主役となつた。
慢性透析の終局的な目的は患者の社会復帰にあり,その目的のためには外来透析か家庭透析が必要である。外来透析については各地に人工腎センターの設立がまたれるし,家庭透析については機械の小型簡便化,費用の削減が必要である。その他解決されるべき問題が山積しているが,近い将来もっと簡単に家庭透析,外来透析ができることが想像される。
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