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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科24巻8号

1970年08月発行

原著

BAEeおよびFibrinを基質とする線溶酵素系の臨床的研究—特に泌尿器疾患の関連性において

著者: 宮谷勝明1 福井巌1

所属機関: 1京都府立医科大学臨床検査部

ページ範囲:P.739 - P.744

文献概要

はじめに
 plasminの活性化に基因すると考えられる疾患1)が報告されているが,これとは別に大量輸血2),麻酔3)4),Emotional stress5)6),Surgical str-ess7)8)などのように,いわゆる生体が特殊な状態におかれた場合にもplasminの活性化は惹起されると考えられている。そのためにこれらの疾患や症状の進展を把握する上においても,plasminの測定が必要不可欠の場合が多くなつてきた。
 泌尿器科領域の手術の中でも特に前立腺摘出術は術後出血が長期にわたつて比較的多量に認められる代表的なもので,手術を契機として血中plasminの活性化が発現しやすい傾向にあるといわれている。われわれは前立腺疾患(前立腺肥大症,前立腺癌)およびその他の疾患(腎結核,腎結石,尿管結石)の術前から術後にかけてのEsterase活性と線溶活性を対象としてその推移をみるとともに,KallikreinのみでなくTrypsin,Chymotrypsin, plasminをも抑制すると考えられているTrypsin Kallikrein Inaktivator(Trasylol)をそれぞれの疾患の術前および術後に投与してその抑制効果をも観察し得たので,その成績について報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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