icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科25巻1号

1971年01月発行

文献概要

手術手技

腎盂尿管接合部通過障害の手術

著者: 岡直友1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.27 - P.34

文献購入ページに移動
はじめに
 腎盂尿管接合部(UPJ)の通過障害に対する形成術の目的は,UPJの尿の自由な流通を確保することにある。これによつて尿停滞のために機械的に障害されていた腎の機能が回復し,またそこに存在する二次的感染(もしありとすれば)もその治癒が著しく促進されるのである。ただし,腎実質にしろ腎盂壁にしろ,二次的病変である結合織増生すなわち硬化性変化が既に起こつていれば,その部分は不可逆性であつて,それまでを普通の状態にもどすことの不可能なことはいうまでもない。硬化した形態的変化は復元されなくても,尿の自由な流下が得られれば腎病変の進行は防げるのであつて,この場合でも手術の意義は大きい。したがつて.UPJ形成術の成続の評価はBischoffの強調するように,形態にのみ捕われて論ずべきものではなく,腎機能の回復状態をこそ対象にして下すべきである。また,これと関連して,既存の感染がよく除去されるかどうかを問題にすべきであり,更にまた瘢痕性狭窄を残さぬ方法を選択・評価すべきである。
 腎盂尿管接合部形成術の術式については,本誌第21巻第4号に述べた。重複する点もあるが,今回は,手術手技上特に注意すべき点,いわば手術のコツといつたことに焦点をおいて,基本的な代表的術式として,尿路の連続離断を行なわずに施行するFoley氏のY形成術と尿路の連続離断を行なう腎盂尿管再吻合術を中心として述べようと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら