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手術手技
腎盂尿管接合部通過障害の手術
著者: 岡直友1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.27 - P.34
文献購入ページに移動腎盂尿管接合部(UPJ)の通過障害に対する形成術の目的は,UPJの尿の自由な流通を確保することにある。これによつて尿停滞のために機械的に障害されていた腎の機能が回復し,またそこに存在する二次的感染(もしありとすれば)もその治癒が著しく促進されるのである。ただし,腎実質にしろ腎盂壁にしろ,二次的病変である結合織増生すなわち硬化性変化が既に起こつていれば,その部分は不可逆性であつて,それまでを普通の状態にもどすことの不可能なことはいうまでもない。硬化した形態的変化は復元されなくても,尿の自由な流下が得られれば腎病変の進行は防げるのであつて,この場合でも手術の意義は大きい。したがつて.UPJ形成術の成続の評価はBischoffの強調するように,形態にのみ捕われて論ずべきものではなく,腎機能の回復状態をこそ対象にして下すべきである。また,これと関連して,既存の感染がよく除去されるかどうかを問題にすべきであり,更にまた瘢痕性狭窄を残さぬ方法を選択・評価すべきである。
腎盂尿管接合部形成術の術式については,本誌第21巻第4号に述べた。重複する点もあるが,今回は,手術手技上特に注意すべき点,いわば手術のコツといつたことに焦点をおいて,基本的な代表的術式として,尿路の連続離断を行なわずに施行するFoley氏のY形成術と尿路の連続離断を行なう腎盂尿管再吻合術を中心として述べようと思う。
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