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雑誌目次

雑誌文献

臨床泌尿器科25巻10号

1971年10月発行

雑誌目次

図譜・355

褐色細胞腫

著者: 志田圭三 ,   高橋溥朋 ,   北浦宏一 ,   渡辺孝 ,   生方茂雄 ,   大沢孝治 ,   横山雄次

ページ範囲:P.776 - P.777

 患者 42歳,家婦。
 主訴 高血圧,頭痛,発汗,左側腹部腫瘤。

図譜・356

精嚢腺嚢胞

著者: 藤田幸雄 ,   大川光央

ページ範囲:P.778 - P.779

 患者 19歳,男子。
 主訴 排便後の血性分泌物。

図譜 膀胱鏡アトラス・10

膀胱瘻・膀胱周囲炎と腸管膀胱吻合

ページ範囲:P.782 - P.783

綜説

淋菌性尿道炎

著者: 斉藤豊一

ページ範囲:P.785 - P.792

はしがき
 淋菌性尿道炎は性交により淋菌の感染がおこつて発症する尿道炎で,性病の一種であり,昔は泌尿器科臨床上の重大な疾患のひとつであつた。生活環境の改善とペニシリンを中心とする抗生物質の発展のために,治療も容易になり,数も激減してきた。しかし,興味のある疾患であることには変わりはない。本症について簡単に解説し,私がとくに興味をもつているポイントについて,経験例をまじえてのべてみたいと思う。

手術手技

尿管結石の抽石法と副作用

著者: 小池六郎

ページ範囲:P.795 - P.800

はじめに
 尿管結石の治療法を大別すると待期療法,内視鏡的方法,手術療法の3種があるが,抽石法はこのうちの内視鏡的方法の重要部分を占めている。このうちの待期療法に関しては運動負荷による排石促進法,多量の水分摂取による水利尿法,薬物療法の3種があり,薬物療法には多数の薬剤が用いられている。待期療法が非常に有効なことは南ら(1964)により報告されているが,結石の大きさ,性状,部位,上部尿路の状態により排石期間の長短はあつても,いずれもある程度の期間を必要とし,実際に個々の症例でどの位待期する必要があるかを予想することは容易でない。そこで切石術によらない,より積極的な保存的療法に内視鏡的方法が挙げられる。
 従来行なわれてきた内視鏡的方法としては,単なる尿管カテーテル法,尿管カテーテルを通して麻酔剤,鎮痙剤,粘滑剤などを注入して結石降下を促進する方法,尿管口嵌頓結石に対する尿管口切開法または電気凝固法,拡張カテーテル・球状カテーテルによる機械的拡張法などがあつた。

原著

原発性アルドステロン症12例の臨床的観察

著者: 白井千博 ,   津川龍三 ,   黒田恭一

ページ範囲:P.801 - P.808

緒言
 1954年,原発性アルドステロン症は高血圧疾患のうち外科的治療の対象となることをConn1)が最初に報告して以来,年ごとにその症例数は増加してきている。
 われわれは最近2症例を経験したので報告するとともに,過去に当教室において経験した10症例2〜4)をあわせ,計12例につき臨床的観察成績を述べる。

L型腎の1例

著者: 宮崎公臣 ,   津川龍三

ページ範囲:P.809 - P.814

緒言
 融合性交叉性腎変位は腎奇形の中で比較的まれなものとされ初期には剖検や開腹手術によつて発見される例が多かつたが,最近は腎盂撮影法によつて診断がつく例が増加し,また動脈撮影法,核医学的診断法の発達はさらに詳細な情報を提供し,奇形腎分類中どの型に属するかという点まで判明するに至つている。著者らは30歳男子例においていわゆるL型腎を経験したので報告する。

Priapismに対するCorpus-saphenous shuntの経験について

著者: 遠藤博志 ,   北村温 ,   百瀬剛一 ,   奈良林定

ページ範囲:P.815 - P.820

緒言
 Priapismは最近ではさほどまれな疾患とはいえなくなつたが,現在なおその成因については不明な点も多く,確実な治療法もない。特にわれわれは治療後の勃起不能を防ぐことを重視しているが,従来の方法ではいずれも十分な成績を収め難い。
 1964年Grayhackらが各種の治療法に無効なPriapismにvenous Bypassを造設し術後勃起を認めたことから,その後欧米ではいくつかの追試がなされ,かなり有効な成績が報告されている。

逆行性射精の1例—配偶者間人工授精の成功例

著者: 白石祐逸 ,   須藤進 ,   高村郁世 ,   石川登喜治

ページ範囲:P.823 - P.826

緒言
 保存的加療の無効な逆行性射精症例に,配偶者間人工授精を行ない,女児を得ることができたので報告する。

睾丸白膜線維腫の1例

著者: 小平潔 ,   渡辺節男

ページ範囲:P.827 - P.830

緒言
 睾丸被膜に原発する腫瘍は元来極めて稀なものとされているが,最近2〜3年間に本疾患の報告がやや増加しているようである。われわれは右睾丸白膜より発生した線維腫の1例を経験したので報告する。

睾丸回転症の6例

著者: 岩本晃明 ,   井上武夫 ,   平野昭彦

ページ範囲:P.831 - P.835

緒言
 泌尿器科領域において緊急手術を必要とするものの一つとして睾丸回転症がある。今回一般開業医が治療して睾丸壊死に陥り,保存手術の時期を逸した症例,一方当院にて緊急手術を施行し,壊死をまぬがれた症例などを経験したので報告する。

文献抄録

TURと凍結療法併用による前立腺治療

ページ範囲:P.820 - P.820

 前立腺腫治療に対する凍結療法は壊死組織の除去が大きな問題であり,一方経尿道的腺腫切除はその手技の困難さ,出血の問題などそれぞれに長所と短所があるが,著者らはこの両者を併用して治療を施行してその臨床知見について述べている。
 まず成犬を用いてその前立腺を凍結してから切除(ジアテルミー)する方法と,その逆に前立腺を切除してから凍結する方法について比較検討している。その結果は後者の方が処置時間も出血も少ないことを知り,この方法を100例の臨症例に応用した。

Urological Letter

精管切断術—針を利用する小切開・無縫合/陰茎の非特異性肉芽腫

ページ範囲:P.835 - P.835

 手術前日に陰嚢を完全に剃毛し,バスまたはシャワーをとらせる。鎮静剤または精神安定剤を当日,手術前に与える。
 外陰部はphisohexと水とで消毒する。ついでZephiranチンキを塗布し,手術掛布をかける。陰嚢外から精管の位置を触診で確かめ,精管を拇指と示指で分け,陰嚢壁の後面には拇指,前面には示指と中指をを当ててこの間に掴む。1%のキシロカインを1mlぐらい皮膚および精管周囲に注射する。

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外国文献

ページ範囲:P.838 - P.840

THE JOURNAL OF UROLOGY Vol.105, No.5, May 1971
Instrumental Chemolysis of Renal Calculi: Indica-tions and Dangers. H.R.Mischol and E.Wildbolz 607
Malacoplakia: Report of Case With Observations on Experimental Production of Lesion. N.R.Rao 611

内国文献

ページ範囲:P.841 - P.842


 腎移植後肺感症をおこした2症例について—肺クリプトコッカス症と粟粒結核症—,岡村隆夫・他:臨外,17;(7),1121,1971.
 肝臓と腎臓,原亨:泌尿紀要,17;(7),445,1971.

基本情報

臨床泌尿器科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1332

印刷版ISSN 0385-2393

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