文献詳細
文献概要
綜説
尿浸潤と尿道瘻
著者: 梅津隆子1
所属機関: 1東京女子医科大学泌尿器科
ページ範囲:P.869 - P.880
文献購入ページに移動尿浸潤(Urinary extravasation, Periurethral ph-legmon)は尿路損傷部から(外傷,炎症,腫瘍など)尿が尿路周囲組織に溢流し,これに細菌感染が加わり,急激に高度の蜂窩織炎を惹起し,広範な壊死脱落とともに,重篤な全身症状(敗血症,中毒症)を伴ない,かつては100%死の転帰をとつたものである。
化学療法剤,抗生物質の出現,加えて輸液,手術法の進歩に伴なつて発生率,死亡率は著減したが,なお治療の時期を失し,あるいは適切な全身的ならびに外科的処置が講ぜられぬ時はなお死を免れ得ず,また,難治性の尿瘻を遺す。
掲載誌情報