文献詳細
原著 文部省科学研究費による総合研究
腎移植の臨床に関する研究
移植腎機能—拒絶反応の早期診断における131I-Hippuranおよび99mTcのRenoscinticameraの臨床的意義
著者: 高安久雄1 岸本孝1 北川龍一1 小磯謙吉1 小峰志訓1
所属機関: 1東京大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.990 - P.992
文献概要
同系腎移植以外の腎移植では移植免疫反応が程度の差こそあれ起こつてくる。この移植免疫反応は臨床上,拒絶反応の症状として出現し,放置すれば移植腎は廃絶する。したがつて,これを防止し,移植腎を生着せしめ,その機能期間を長くするため各種の免疫抑制法が行なわれている。しかし,現今の免疫抑制法はいまだ十分とはいい難く,副作用も問題になつている。このような現状では,早期に拒絶反応を診断し,移植腎に不可逆性変化が生じないうちに免疫抑制法を強化する必要がある。臨床上,拒絶反応の早期診断法には各種あるが,われわれは腎機能検査法の一環として,131I-Hippuranおよび99mTcのRenoscinticameraを用いて腎移植症例のScintiphotoを撮影し,移植腎の拒絶反応を早期に診断せんと試みたので,以下これについて報告する。
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