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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科25巻13号

1971年12月発行

文献概要

特集(増刊号の)4 泌尿器と関連領域の症候レントゲン診断 Ⅲ.上部尿路炎症性疾患のレ線像

腎盂腎炎の再発,再燃とBACTERIAL L-FORM

著者: 樋口正士1

所属機関: 1久留米大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.111 - P.116

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Ⅰ.Bacterial L-formについて
 細菌は,細菌細胞壁という細胞の内部の高浸透圧に耐え,菌独自の形態を保つためにmucopeptideという物質を基礎構造とする半透過性膜を有する。ゆえに,細菌細胞壁を欠除または破壊するもの,すなわち,抗生物質(Penicillin,合成PC系抗生物質,合成Cephalosporin C系抗生物質,Cycloserin, Novobiocin, Bacitracin, Vancomycin,Ristocetin, Griseofulvinなど),酵素(lysozymeおよびその製剤),抗体,補体,bacteriophage,その他が細菌細胞壁を除去すれば,浸透圧の関係で膨化状を呈する。この状態をprotoplast(large body)といい,元の菌種に関係なくグラム陰性で,直径5〜30μに達する。培養を続けるにprotoplastの一端に0.1μ程度の原形質が集まり,そこから流れ出すようにはみだしてくる場合,また顆粒状のものが一列になつて出てくる場合の2通りがあるが,これらが集落を形成し,L-type colony (L-form)を示す。大きさは100μに達しない(付図)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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