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文献詳細

雑誌文献

臨床泌尿器科25巻13号

1971年12月発行

特集(増刊号の)4 泌尿器と関連領域の症候レントゲン診断

Ⅳ.腎腫瘍とそのレ線像

腎腫瘤性疾患の鑑別診断法

著者: 酒徳治三郎1

所属機関: 1山口大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.153 - P.159

文献概要

はじめに
 1950年代までは,腎実質内に腫瘤性病巣spaceoccupying lesionがIVPなどで発見されると,まず悪性腫瘍を前提として以後の検査,治療が考慮されてきた。そして,これらの患者の大多数は,腎腫瘍を疑わせるのに十分な症状を呈するものであつて,偶然の機会に腎内腫瘤が発見されることは比較的稀であつた。ところが最近では,一般検査としてのIVPの価値がみとめられ,急速に普及してきたため,たまたま撮影したIVPで腎実質内にspace occupying lesionを見出し,この病巣の性状の鑑別を迫られる症例が増加してきた。特に高齢者に対する手術前検査や,高血圧や尿路感染などの検討のために行なわれたIVPにて,腎内腫瘤陰影が発見される機会が漸増し注目をひくようになつた。たとえばBohne1)は,前立腺肥大症患者500例のIVPで,その2.0%にこのような病的所見を認めたと記載している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1332

印刷版ISSN:0385-2393

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