文献詳細
原著
成人にみられたCongenital Unilateral Multicystic Kidneyの2例
著者: 近藤猪一郎1 井上卓治2 間宮紀治2 公平昭男2
所属機関: 1神奈川県立成人病センター泌尿器科 2横浜市立大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.221 - P.227
文献概要
腎の嚢胞性疾患については,以前よりその発生,分類などに関して多くの説があり,未だ一定したものがない。その中で,1967年Gleason et al.18)が述べている分類が臨床上便利と思われるので第1表に掲げておく。この分類では,renal dysplasiaの中に,unilateral multicystic disease,multicysticrenal dysplasia,unilateral polycystic disease,poly-cystic disease with abundant stroma,renal ap-Iasia,およびhypoplastic multicystic kidneyなどといわれるものが含まれている。
Unilateral multicystic kidneyという名称は,1936年Schwarz2)が"An unusual unilateral mul-ticystic kidney in an infant"として始めて使用し,その後1955年にSpence4)が彼自身の経験例4例とそれまでの報告例をまとめて定義づけて以来,一般に使われるようになつたが,しかし一つの疾患とするよりもrenal dysplasiaの一形式と考えるほうが良いように思われる。
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