文献詳細
原著
尿道外に脱出せる巨大尿管瘤の1例—その術後経過について
著者: 田口裕功1 石塚栄一1 石堂哲郎1 村山鉄郎1
所属機関: 1国立相模原病院泌尿器科
ページ範囲:P.319 - P.322
文献概要
尿管瘤は1835年Lechlerが剖検で認めたものが最初とされ1),それ以来数多く報告されている。本邦でも1923年尾形の報告以来多数の報告,原著がみられ2〜5),現在まで近喰らによれば165例となる5)。しかし,尿道外に脱出した症例は比較的まれで,現在まで10数例が報告されているにすぎない。著者らは最近尿道外に脱出した両側の巨大尿管瘤の1例を経験した。これに対し,最も簡単な方法である膀胱高位切開による尿管瘤切除術を施行した。これで問題とされる膀胱尿管逆流現象に対して長期間にわたる観察を行ない良好な結果を得たので報告する。
掲載誌情報