文献詳細
原著
文献概要
緒言
腎には比較的先天性奇形が,多く発生しやすいと考えられているが,この内で,交叉性腎変位は割合珍しい奇形の一つと言われており,形成不全腎の8分の1,馬蹄鉄腎あるいは骨盤腎の5分の1にみられる1)。交叉性腎変位とは,腎の発育途上において,正常の位置とは反対の側に移動するもので,変位腎からの尿管は正中線を越えて正常の位置で膀胱に開口する2)。最近,われわれは疼痛・血尿を主訴として来院した患者において,腎盂撮影により本症を見つけた。そこで経過観察中,頻回に主訴を繰返し,腎機能検査にて非変位腎は機能を喪失しているため,非変位腎を剔出した症例を経験したのて報告すると共に,本症について若干の文献的考察を加えた。
腎には比較的先天性奇形が,多く発生しやすいと考えられているが,この内で,交叉性腎変位は割合珍しい奇形の一つと言われており,形成不全腎の8分の1,馬蹄鉄腎あるいは骨盤腎の5分の1にみられる1)。交叉性腎変位とは,腎の発育途上において,正常の位置とは反対の側に移動するもので,変位腎からの尿管は正中線を越えて正常の位置で膀胱に開口する2)。最近,われわれは疼痛・血尿を主訴として来院した患者において,腎盂撮影により本症を見つけた。そこで経過観察中,頻回に主訴を繰返し,腎機能検査にて非変位腎は機能を喪失しているため,非変位腎を剔出した症例を経験したのて報告すると共に,本症について若干の文献的考察を加えた。
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