文献詳細
原著
文献概要
緒言
Grawitzが1883年,腎腫瘍について報告して以来12)およそ90年となるが,腎腫瘍は10万人に3.5人の割合で発生し,すべての悪性腫瘍の1〜2%を占めるといわれている10)。また生存率に関しても多くの報告10,12,13)があり,転移の存在する症例の予後は極めて悪く,95%が2年以内に死亡する11)といわれている。今回約30ヵ月前に左腎腫瘍の診断のもとに左腎摘除術を受け,約2年後に創部皮下の局所性再発に気づき,手術的摘除が不能であつた症例をホルモン療法ならびに放射線療法の併用により,皮下腫瘍の縮小後,手術的に摘除した症例を経験したのでこれを報告する。
Grawitzが1883年,腎腫瘍について報告して以来12)およそ90年となるが,腎腫瘍は10万人に3.5人の割合で発生し,すべての悪性腫瘍の1〜2%を占めるといわれている10)。また生存率に関しても多くの報告10,12,13)があり,転移の存在する症例の予後は極めて悪く,95%が2年以内に死亡する11)といわれている。今回約30ヵ月前に左腎腫瘍の診断のもとに左腎摘除術を受け,約2年後に創部皮下の局所性再発に気づき,手術的摘除が不能であつた症例をホルモン療法ならびに放射線療法の併用により,皮下腫瘍の縮小後,手術的に摘除した症例を経験したのでこれを報告する。
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