文献詳細
原著
文献概要
緒言
海綿腎については,Lenarduzzi(1939)1)が,その腎盂像において特異な所見を呈するものとして最初に記載し,ついでCacchi & Ricci (1949)2)が,その類似疾患5例につき病理組織学的に検討してrein en éponge(Sponge kidney)の命名のもとに発表して以来,欧米での報告例はAbes-houseら(1960)3)が136例を集計し,その後Morrisら(1965)4), Pyrah (1966)5),Macdougallら(1968)6),Harrisonら(1971)7)の症例を加えると200例以上の多きを数える。本邦においては,酒徳ら(1956)8)によつてはじめて"海綿腎"なる訳名のもとに症例報告がなされて以来,近時,本症の概念が広く認識されるにいたり,泌尿器科領域のみならず内科,放射線科領域でも発表されており,今回,集計しえた本邦症例数は自験例をも含め68例8〜58)に達する。自験例について,病理組織学的にも検討しえたので,これにつき報告すると共に,併せて若干の統計的観察を試み,本症の概念についても述べてみたい。
海綿腎については,Lenarduzzi(1939)1)が,その腎盂像において特異な所見を呈するものとして最初に記載し,ついでCacchi & Ricci (1949)2)が,その類似疾患5例につき病理組織学的に検討してrein en éponge(Sponge kidney)の命名のもとに発表して以来,欧米での報告例はAbes-houseら(1960)3)が136例を集計し,その後Morrisら(1965)4), Pyrah (1966)5),Macdougallら(1968)6),Harrisonら(1971)7)の症例を加えると200例以上の多きを数える。本邦においては,酒徳ら(1956)8)によつてはじめて"海綿腎"なる訳名のもとに症例報告がなされて以来,近時,本症の概念が広く認識されるにいたり,泌尿器科領域のみならず内科,放射線科領域でも発表されており,今回,集計しえた本邦症例数は自験例をも含め68例8〜58)に達する。自験例について,病理組織学的にも検討しえたので,これにつき報告すると共に,併せて若干の統計的観察を試み,本症の概念についても述べてみたい。
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