文献詳細
特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍)
Ⅰ.尿路感染症の化学療法 腎盂腎炎の臨床
文献概要
はじめに
腎,尿管,膀胱,尿道,近接性器は,それらが独立して感染症に罹患すると考えるより,尿という媒体で相通じているのであるから,尿路すべてが感染し,時により各部分の症状が強く現われると考えた方が妥当であろう36)。しかし尿管膀胱移行部により一応尿の逆流が防止されていることを考慮するとそこを境として上部,下部と分けることはあながち無謀なことではないし治療の面より考えると便利なこともある。
寄生体側,宿主側を問わず,尿路感染症の問題の中で上部尿路に関与したもので,かつ最近私が関心を抱いている問題を列挙してみることとする。私見が多いことと,問題提起にすぎないものが含まれていることをお許し願いたい。
腎,尿管,膀胱,尿道,近接性器は,それらが独立して感染症に罹患すると考えるより,尿という媒体で相通じているのであるから,尿路すべてが感染し,時により各部分の症状が強く現われると考えた方が妥当であろう36)。しかし尿管膀胱移行部により一応尿の逆流が防止されていることを考慮するとそこを境として上部,下部と分けることはあながち無謀なことではないし治療の面より考えると便利なこともある。
寄生体側,宿主側を問わず,尿路感染症の問題の中で上部尿路に関与したもので,かつ最近私が関心を抱いている問題を列挙してみることとする。私見が多いことと,問題提起にすぎないものが含まれていることをお許し願いたい。
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