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特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍) Ⅰ.尿路感染症の化学療法 最近の腎結核の化学療法
腎結核の化学療法
著者: 岡元健一郎1 大井好忠1 池村紘一郎1
所属機関: 1鹿児島大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.127 - P.133
文献購入ページに移動肺結核の減少とともに本邦における腎結核も減少しつつあることは幸である。これは生活水準の向上,化学療法の進歩と結核予防法などの社会的防圧体制によるもので文化社会における社会病撲滅の一つのモデルとなりうるものであろう。しかし後述するように現在でも腎結核の発生は大学泌尿器科外来で1%程度に存在している。そしてその治療のためのcriteria,とくに化学療法の規準は完成されたものといえない点があるのは残念である。著者らは本稿において教室における成績をもととして腎結核の頻度,腎結核の治療法として化療が占める地位,化療単独による治療効果,偏腎結核摘除後の残腎発病防止のための化療の実際などについて述べる。もちろん自らの経験は少ないし独断におちいる点もあると思うが参考になれば幸である。腎結核は尿路結核の原発巣として尿管結核,膀胱結核を伴うので随伴症状としての尿管狭窄,萎縮膀胱の問題もあるが本稿ではふれないことにする。
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